【第3回】株ってな~に?どんなもの?【8つの質問】

株ってな~に? 8つの質問

この記事の内容

今回は、予定外の流れで株式投資についての質疑応答になりました。8つの質問について受け答えしました。「株でお金を増やすとはどういうことか」、「なぜ株価が変化するのか」、「株のリスクについて」等の基本的な内容がイメージできたと思います。
前回の続き(金融教育についての外国との比較)の予定でしたが、質問から始まって「株とはどんなものなのか?」についての話題となりました。株の売買で利益が出たり、損をしたりってどういうことなのかイメージが伝わったと思います。全部のお金で株を買っちゃだめだよね?とか、おお、本質的!という質問もありました。

【Q&Aの概要】

  1.    お父さんとお母さんは投資をしているの?
    ⇒ 
    お母さんはしてません。
  2.  株って自分が働いている会社の株を買うの?
    ⇒ どこの会社でも買えます。
    自社株を買うのはやめました。
  3.  株を買ってお金を増やすってどういうこと?
    ⇒ 
    安いときに買って高いときに売れば儲かるし逆は損する。
  4.  株はなぜ値段が変わるの?
    ⇒ 
    欲しい人が多いと値段は高くなる。いらない人が多いと安くなる。
  5.  なぜみんなアップルの株を買わなかったの?
    ⇒ 
    ほんとだよね〜。
  6.  ディズニーランドの株を買うとお金が増える?
    ⇒ 
    それは誰にも分からない。
  7.  全部のお金で株を買ったらヤバイよね?
    ⇒ 
    そのとおり!いいところに気が付きました!
  8.  いくらまでお金を増やせばいいの?
    ⇒ 
    人それぞれ。自分にはいくらあったらいいのか? これから勉強していこう。

以降、それぞれの質問についてのやりとりを詳しく記載します。

Q1.お父さんとお母さんは投資をしているの?

父さん
それじゃあ、今回も始めまーす!今回は、前回の続きだけど、まずは前回の復習ですね。
なな
OK!
わわ
現在、37分だから、7分までだね!30分でしょ
父さん
そーね。毎回律儀ですね。では、前回「なぜ日本ではお金のことを教えてなかったのか?」を話したけど、なぜだっけ?覚えてる?
なな
忘れた!
わわ
え〜っと、親も知らなかったからでしょ!タブーだったから!
父さん
そうだね!”わわ”やるじゃん。じゃあ、なぜ親も知らなかったんだっけ?
わわ
わからない!
父さん
まあそうだよなあ~。大きな理由は、お金の話はイメージがよくない。ということと、昔は銀行の金利が良かったから、預金だけでリスクなくお金が増えたんだよね。投資するのと同じくらいの勢いで増えてました。だから、投資とか勉強する必要は少なかったんだよね。
わわ
そっか。でもお父さんは、勉強して投資してるんでしょ?お母さんもしてるの?
父さん
お母さんはしてないよ。やってれば、今頃億万長者だったかもね〜。
なな
なんでお母さんはやってないの?
父さん
お父さんも始めたころは増えるかどうか分からなくて不安だったし、試してみる感じだったからね。自信がなかったから、お母さんにも強く勧めなかったんだよ。お母さんは、興味も無かったし、よく分からないことはやりたくない。って考えだからね。それはそれで正しい事で、良くわからないし、興味がないんだったら投資はやらない方がいいんだよ。中途半端にやると損しちゃう可能性が高くなります。
なな
へえ〜そうなんだ。なな達はやったほうがいいんでしょ?
父さん
やったほうがいいと思うけど、それは最終的には自分で判断することだね。そのために勉強するんだよ!
わわ
株って、自分が働いている会社の株を買うの?
父さん
おっ良い質問だね!

Q2.株って、自分が働いている会社の株を買うの?

父さん
株は、自分が働いている会社以外の会社の株も自由に買えます。でも、自分の会社の株を買うと、ちょっと補助してくれてお得に買える会社があるよ。例えば、1万円買う場合に、2,000円補助してくれる。とかね。8,000円で買えるから20%もお得です。
わわ
え〜めっちゃ得じゃん。
父さん
そうなんだよね。でもお父さんは止めました。新入社員の時に得だよね〜と思って買ってたんだけど、株の勉強をしてから止めました。
なな
なんで止めたの?
父さん
自分の会社の株を買うのは、リスクヘッジになってないからだね。リスクヘッジというのは、リスクをカバーするってことなんだけど、例えば、会社が好調なときには株価が上がるし、ボーナスとか給料も増えることが多い。反対に、会社が不調なときには株価が下がるし、ボーナスとかなくなっちゃたりする。ボーナスがない時には、株が上がってれば助かるし、逆に、株が下がった時は、給料が増えていればまだましでしょ?そうやって、お互いをカバーし合うのをリスクヘッジっていうんだけど、自分の会社を買うと、いいときは両方いいけど、悪いときは両方悪くてダメダメになっちゃうから、自社株は、よく考えて買ったほうがいいんだよね。
なな
ほー。ちゃんと考えているんだね。
父さん
まあね。結果的に入社してから少し買ってた株は持ったままだけど、会社が不調でダメダメになっちゃってるんだよね。会社の調子がよくなるまで売るのはガマンですな。
わわ
株を買ったり売ったりしたら、お金が増えたり減ったりするの?どういうしくみ?
父さん
なるほど、そこは基本だな。

Q3.株でお金が増えるってどういう事?

父さん
株でお金が増えるのは、株価が低い時に買って高いとき売れば儲かるんだね。例えば、このマウスが株だとして、これを100円で買って1,000円で売れば、いくら儲かる?
なな
900円だね。
父さん
そう、その900円が利益です。
わわ
じゃあ、買って、高くなったら売って、また買って、高くなったら売って、を繰り返せば、じゃんじゃん儲かるってことだね!
父さん
まあ、そうなんだけど、買ったり売ったりするときには、手数料がかかったり、売ったときの利益には税金がかかります。儲かった分の20%は税金を払うんです。さっきの例だと、900円もうかったけど、税金は20%だといくらになる?
わわ
900かける0.2か?
なな
え〜っと、180円かな?
父さん
そうだね。900円もうかっても、180円は税金を払うから、結局720円がもらえます。
わわ
結構取られるね~
なな
そうだね〜。税金て結構かかるんだね。
父さん
そうなんだよね。しかも、今後は30%になるかもって噂もあるよ。
わわ
マジか!でも、株って損することもあるんでしょ?そのときはどうなるの?
父さん

100円で買ったこのマウスが、10円になっちゃったら90円の損だよね。その場合には税金はかかりません。税金は儲かった分にだけかかります。

わわ
そーなんだ。よかった。でも、1,000円になったり10円になったり、株ってなんでそんなに値段が変わるの?

Q4.株の価格はどうして変わるのか

父さん
おーこれも良い質問だね。株もそうだけど、モノの値段は、ほしい人がいっぱいいれば上がるし、要らない人が多ければ、値段が下がるんだよ。ほしければ、他の人に取られないように、高い値段を出しても買う人がいるってことだね。だから、株は買って持っておくだけでどんどん値段が上がっていくことがあるんです。みんなが欲しがる株を持っていれば、持ってるだけでどんどん自分の株の価値が上がっていくんですね。
わわ
景気がよくなるのと関係があるの?
父さん
まあ、景気がよいと株価があがる会社が多くなるね。逆に株価が高くなる会社が多いと景気がいいといえるかもしれない。景気っていうのは、その時の社会の雰囲気ってことだからね。好調な会社が多いと雰囲気がよくなるんだよね。景気の気は雰囲気の気だよ!
わわ
景気って雰囲気なんだ。じゃあ、景気が良い時に株はいっぱい買えばいいのかな?
父さん
景気が良い時には、株価が上がる会社が多いけど、全部が全部そうとは限らない。景気が悪いときも儲かる会社はあるし、景気がよくても儲からない会社もあるからね。コロナで困ってる会社もあるし、儲かってそうな会社もあるでしょ?
わわ
そっか。たしかにね。スタバなんか儲かってそうだよね。昨日長いこと友達といたけど、ずーっと、人がいっぱいいたよ。ぜったい儲かってるよね。
父さん
そっか。でもわわは、中学生なのに、友達とスタバとか行くの?金持ちだな。
わわ
まあね。昨日は会議してたんだよね。抹茶ラテのグランデ買っちゃった!
父さん
マジ?そりゃスタバ儲かるな。(しかし中学生の会議ってなんだよ・・・)
父さん
スタバの株価は知らないけど、アップルは、ここ20年で株価は100倍以上になってるね。
わわ
えーーーー!100倍ってすごいね。
父さん
アップルはいい仕事するから、株を買っておけば株価が上がって儲かるぞ。って、アップルの株が欲しい人がどんどん増えていったんだね。そしたらやっぱりiPhoneとかで好調になったから、更にどんどんみんなが株を買って株価が上がっていったって感じだね。
なな
100倍だとすると、80万円買ってたら・・・・・。えーーっと、8,000万円!
わわ
まじで!? お父さんアップル買ってたの?
父さん
いや、買ってない。
わわ
えーーーなんで買ってないの?ってゆーか全員が買うでしょ。そんなもん。

Q5.なんでみんなアップルの株を買ってないの?

父さん
そうだよなあ。買ってればなあ。今頃お金持ちだったんだよなあ。
わわ
あーあ、やってるわ。なんで買ってないかなあ〜。その頃は、有名じゃなかった?
父さん
いや、そこそこ有名だったよ。iMacとかMacBookとかパソコンで20年前もかなりイケてたと思いう。
わわ
じゃあ、なんで全員かってないの?お金の勉強してないから?
父さん
まあ、それもあるけどね。その時にここまですごくなるって、予想するのは難しいんだよねえ。例えばさあ、わわは今だったら、どこの会社の株を買うんですか?って事だよ。これから20年後にすごいことになってる会社があるはずだけど、それを予想してください。ってことだよね。今からでもアップル買ってみる?
わわ
・・・・・・・・・んーーーん。
なるほどねえ。今からどーなるかわからないかあ。
父さん
そうです。過去を振り返ると、絶対買っとくべきじゃん!って思うけど、これからのことを予想するのは難しいんだよ。プロでもなかなか難しいことなんです。
わわ
そうなんだ、でもさあ、ディズニーランドとか、ぜったい儲かってるよね!これからも確実じゃん!絶対もうかるわ。

Q6.ディズニーランドの株を買うと儲かるの?

父さん
いやいや、それは分かりませんね。株に確実とか絶対とかはないんだよね。世の中は何が起こるかわからないからね。コロナなんて誰も予想できなかったでしょ。
わわ
そうかなあ。ディズニーは絶対な気がするけどなあ。
父さん
まあ、これからも儲かっていく可能性は高いかもしれないけどね。絶対ってことはないからね。津波が来て流されちゃいました・・・とかね。株価が恐ろしく下がるだろうね。ディズニーランドの会社がなくなっちゃうかもしれないしね。
わわ
株価がさがったら、その時に買うといいね。
父さん
まあね。でもそれも実際にはなかなか難しいんだよ。株価が下がってるということは、この会社やばいなあって思う人が増えてるってことだからね。そういう世間の雰囲気の中で、自分だけ買います!っていうのは、想像以上に難しいんだよ。普通はみんながいらない!って物を買わないでしょ。
なな
やっぱり株は難しそうだね。
父さん
基本的な勉強はちゃんとしないとダメだね。それを今まさに学んでいくとこなんだよね。たとえば、みんながやるから、投資をやろう。とか、勉強しないで、適当に始めると損する可能性が高くなります。
なな
へえそうなんだ。損するの?
父さん
勉強してない人は、景気が良くなってきて、みんなが投資をやりだすと、自分もやるぞって株を買うんだけど、だいたい景気が上がったら、その後下がることが多いです。株価が下がった時に「えええええ~~~聞いてたのと違う〜〜」って売っちゃって、損することになるんだよね。それで、やっぱり株って怖い〜ってなるのがよくあるパターンと聞いてます。ちゃんと勉強して、この株は上がり下がりを繰り返しながらも、結果して上がっていくから買う!って自分が信じれるものに投資しないとダメですね。
なな
ちゃんと勉強しておかないと損しちゃうんだね。
父さん
お父さんも、投資を始めて何年かしたときに、株価が下がって下がって、一時は400万円のマイナスになりました。もうその時はまさに、「えええええ〜思ってたのと違う〜〜」って感じで結構びびってましたが、投資を始める前に勉強したことを思い返して、なんとか売らずに持ちこたえることができました。その繰り返しを乗り越えて、いまでは随分増えてくれてます。
わわ
いまは、どれくらいになってるの?
父さん
2倍以上になってるね。ほんとに勉強したとおりに増えてるよ!だから、君らにも自信を持って説明できるんです。
わわ
へえ〜 でもさあ、株買うのって、減ることもあるわけだから、全財産でやらないほうがいいんだよね?

Q7.株は、自分の全財産で買わないほうがいいんだよね?

父さん
そうだね。凄くいいところに気がついたね!投資を始めるのに一番大切かもしれない。一部のお金はちゃんと現金でもってないとダメですね。生活防衛費っていいます。自分の生活を守るお金のことだけど、生活防衛費は絶対に投資に使っちゃダメなんです。
わわ
どれくらいを株に使えばいいとか、現金がいいとかあるの?
父さん
これまた良い質問だね。それは人によって違うけど、最低半年くらいは何が起こっても生活できるだけのお金は貯めておいて、そのお金は株とかの投資には使っちゃダメなんだよね。
わわ
人によって違うのか。
父さん
そうだね。どれだけお金を使うかは人によって違うからね。目安はあるから、また後で勉強しよう。全部を使ったらダメだという考え方は大切です。例えば、全部株とかで運用していたら、高校へ行く学費が足りない!ってなった時に、株を売らないといけなくなります。その時に株価が下がってても、学費に必要だから、損しても株を売らなくてはならなくなっちゃうんだよね。だから、投資をする場合には、万が一のときの備えのお金を用意してから、始めなくちゃダメなんだよね。
なな
毎月どれだけお金を使うかは人によって違うから、老後の資金を貯めるのも、どれくらいあったらいいのかも人によって違うってことか。

Q8.結局いくらまでお金を増やせばいいの?

父さん
いいところに気が付きました! 老後の資金は日々の生活費の延長になるから、生活するために、自分はどれくらいまでお金を増やすべきか。どうやってお金を増やせばいいのか。については、人それぞれです。例えば、お金持ちって、どういう人だと思う?
なな
超豪邸に住んでる人!
わわ
一億円もってる人!家は一億円あんの?
父さん
残念ながら、家には一億円ないですね・・・。お金持ちってそいう感じのイメージだよね。でもさ、たとえば、1億円もってても、月に1,000万円使えば、すぐになくなっちゃうよね。
わわ
月に1,000万円なんて使えるの?
父さん
使えるらしいよ。その気になれば、ホストクラブとか、テレビとかでやってるじゃん。1回で数百万円とか使えちゃうらしいよ。だからね。自分がどんな暮らしをしたいのかで、必要なお金って全然違ってくるんだよね。
わわ
まあそうだね。贅沢するんだったら、その分稼がないとね。
父さん
たとえば、1年に3回は海外旅行に行きたい人と、旅行は3年に1回、近場の温泉でいい人だと使うお金がぜんぜん違うよね。だから、自分がだいたいどれくらいのお金が必要かっていうことも、これから勉強して分かるようにならないとなんですね。
わわ
おとうさん。もう一時間くらい経ってますけど・・・・
父さん
おお!もうそんなに経ってたか。今日は結局パワポ全然つかってないじゃん。
なな
わわが、いろいろ聞くからだよ〜
父さん
それは、それでいいんだよ。君たちの知りたいことが優先だから。パワポにこだわる必要はないよ。ななもわからないことや知りたいことはじゃんじゃん質問してください。
父さん
というわけで、今日はこれでおしまいにします。次は、前の続きをやりますね。それでは、また来週〜!
今回は、株の値動きのところで、いろいろな銘柄の株価の推移を見ながら、話をしましたが、そこは割愛しています。よく行くスーパーとか、よく知ってる通信会社とか、ECサイトとか、具体的なチャートで株価が日々、時間単位で変化することを興味津津で見ていました。個別銘柄の値動きを予想することは難しいということを感じ取れたのではと思っています。
前回(第2回目)の記事はこちら 「日本でお金の教育が無かった3つの理由」
次回(第4回目)の記事はこちら 「えっ?テスト??きいてないんですけど~!!【金融教育:他国との違いとこれからの日本での金融教育】」