【中学生・高校生・お金の勉強】日本の金融教育【これまで教育しなかった3つの理由】

日本でお金の教育が無かった3つの理由

この記事の内容

この記事では日本でこれまでお金の教育がされていなかった理由を3つ説明します。

一言で言うと「国が教育する・国民が教育を受ける必要が無かった=無知でも生活の心配が無かった」ということです。

  1. お金の話=「はしたない」という悪いイメージがあるから避けられがち。
  2. 預貯金だけでもお金が増えたため。複雑な金融商品の知識は不要だった。
  3. 会社員になるための教育を重視。納税は源泉徴収で簡素化。国も国民もWIN-WINだった。

娘たちはいろいろな質問を交えながら、楽しんで聞いてくれました。「成人が18歳からになったら年金も18歳から払うの?」「WIN-WINの逆って何?」などの想定外の質問が来るので反応が面白いです。

日本でお金の教育がなかった3つの理由

昔からまったく金融教育が無かったわけではありません。

明治以前には貯金という概念自体がなかったため、明治時代には「貯金」について教育をしました

でも、そこから見直されていないんですね。

日本のお金の教育=「会社員になって貯金する」これだけで国も国民もHAPPYだったということです。

これからの時代はそうはいかないため、国も急いで金融教育を始めています。

これからの日本の金融教育に関しては次回のテーマです。

それでは、長女「なな」と次女「わわ」への説明っぷりを紹介していきます。

まずは、前回の復習からです。前回の内容「【プロローグ】え?中高生が投資をはじめるの?」はこちら

父さん
それじゃあ2回目はじめるよ~
わわ
えーっと、今が45分だから、15分までだね!
父さん
きっちりしてるね~。スライド盛りだくさんだから終わるかなあ~?
わわ
30分の約束だからね。
なな
まあまあ・・・・
父さん
それじゃあ、まず前回の振り返りを簡単にします。君たちがお金の勉強をするのはこれから生きていくのに大切だからだね。最終的には実際に投資をしてもらうんだけど、投資をするために、いろいろとお金のことを学ぶことが目的です。人生100年時代。年金はもらえるか不安ですね。なぜだったっけ?
なな
少子高齢化だから。
父さん
そうだね。じゃあ、なぜ少子高齢化だと年金が不安なんだっけ?
なな
年金を払う人が減って、もらう人が増えるから。

 

父さん
お~ ちゃんと覚えてるじゃん!父感激!!
わわ
年金って税金なの?
父さん
年金は大人になったら税金とは別に払うんだよ。
なな
へえ~。今年から18歳で大人になるんだよね。そしたら18歳から払うのかな?
父さん
おーなるほど。そう思うよね。でも大丈夫。年金は20歳になってからです。あとは、タバコとか、お酒も20歳になってからだよ。
わわ
えーーー!じゃあ車は?18歳になったら運転できるの?

 

父さん
車は免許があれば運転できます。免許は今も18歳でとれるよ。ちなみにバイクは16歳でとれます。ななは、来年とれるね。
なな
校則で禁止されてる!と思う。
わわ
じゃあ、18歳で大人になっても得なことないね。
父さん
確かにね。携帯電話や家を借りるような契約が自分だけでできるようになったりするけど、これはイイ!っていうメリットはよく分からないね。そもそもなぜ、成人年齢を引き下げられたのか分からないね。そのうち調べとくね。
わわ
よろしく!
父さん
ってゆーか自分で調べてもいいんじゃない?まあ、今回はいいや。(こういう小ネタは自分で調べさせるのもいいかもな・・・勉強会が軌道に乗ってきたら自習も取り入れるのもいいかもな。)
父さん
で、なんの話だっけ?そうそう、とにかく、老後にお金はしっかりと蓄えないとね。で、そのお金を蓄える方法を、自分で考えて、自分でできるようにお金の勉強をしていくよ。ってことを前回は説明しました。

今回の本題「お金のことを教えてくれなかった理由について」

父さん
「お金の増やし方」のスライドも作ってきたけど、どっちから聞きたい?保険の話は間に合いませんでした。ってゆーか。どっちも結構なボリュームだから、今日は、どっちか一つだな。それでも時間が足りない気がする。
なな
私は、なぜお金について教えてくれなかったのか、かな。
わわ
私もそれで。
父さん
へえ~。そんなことに興味があるんだね。お金の増やし方のほうが面白そうじゃない?
なな
まあ、なんとなくだね。身近な感じがする。
わわ
まあ、そうだね。
父さん
そうか。じゃあようやく本題です。説明を開始しまーす!
わわ
あと17分になります。

父さん
まずはこの3つを説明します。それでは、①からはじめます。

① お金の話は「はしたない」?


父さん
お金の話は「はしたない」ってイメージない?
なな
あんまりないかな?
わわ
そうだね。結構友達同士で、お年玉いくらだった?とか、この服いくら?とか話すしね。
父さん
そっか。友達どうしだと話すのか。でも、家ではあんまりしないでしょ。
わわ
それは、聞いてもお教えてくれないからだよ~
なな
お母さんは、私の貯金通帳も見せてくれない。
わわ
そうだそうだ!
父さん
そうなのか。なるほど、そういうところだね。子供はお金の話なんか知らなくていい。ってお父さんたちの世代は親から(君らのじいじやばあばから)言われてきたからね。これからは、君らがいくら持ってるとか、そういうところも伝えていったほうがよさそうだね。自分で管理する。ってこと学んでいくからね。自分の資産は知っていないとね。
父さん
ということで、昔はあまり家でお金の話はしなかった。ってゆーか。今でもたぶんあんまりしている家はないと思います。なぜだと思う?
なな
親もお金のことを知らないから。親の世代では教育されてこなかったからでしょ?
父さん
お!よく知ってるじゃん。
わわ
なんか前。お父さんが言ってた気がする。
父さん
ああそうだったっけ?まあそういうことです。イメージもよくないし、結局よく知らないから、説明しようと思ってもできなんですね。では、なぜ、教育されてこなかったんでしょうか?っていいうことをこれから説明します。
ここでは、母親も参入して、子供のころに(母の)じいちゃんが貯金通帳を見せてきて、「お金がこんなに増えたんだよ~」って自慢してきてウザかった。とか、「お金の話は子供は関係ない!」って怒られていた。とか、ちょっとしたエピソードで盛り上がりました。親世代はなんとなくお金は下品ってイメージをもっていますが、子供世代は、そうでもないのかも。っていう印象でした。

② 預貯金だけで十分幸せ?

父さん
昔の日本人は、貯金って考え方すらなかったんだよ。
わわ
昔っていつ?縄文時代とかそういういやつ?
なな
いやいや、縄文時代にお金ってなかったでしょ
わわ
そーなの?じゃあ鎌倉時代とか?そもそもお金っていつからあったの?
父さん
そりゃあ石器時代からあったんじゃないの?ギャートルズだと、大きな石のお金転がしてたじゃん。
わわ
ギャートルズってなんだし?
父さん
ギャートルズ知らんのか?まあアニメだからホントかどうかよく分からんけど、日本では、和同開珎が最も古いって言われてるよね。奈良時代だね。
わわ
あーーなんか社会で習ったような。習っていないような?
なな
習ってるだろ!
わわ
んーーーん覚えてない。で、奈良時代から貯金してなかったの?
父さん
超昔のことはよく知らないけど、日本では明治時代から貯金の教育を始めて、貯金が根付いていったようだね。ちなみに、貯金というのは、郵便局に預けるのを貯金。銀行に預けるのは預金といいます。
なな
へえ~そうなんだ。なんで言い方が違うの?
父さん
当時、郵便局は一般の人がお金を預けるところ。いわゆる貯金をするところ。郵便局は郵便のために、もともと地域ごとにあって近くて便利だったみたいね。一方、銀行は企業がお金を預けるところ。って感じで分かれてたからみたいだね。今は、普通の人も銀行にお金を預けるね。で、スライドのタイトルは、2つあわせて、預貯金となっています。
なな
へえ~預金と貯金で預貯金っていうのか。
父さん
そうだね。で、明治時代に日本人は貯金はいいよ。って習って、そこからアップデートされてないんだね。昭和の高度成長期では経済がぐんぐん成長してきたので、銀行や郵便局の金利も高くて、貯金さえしておけばどんどんお金が増えていたんだね。
わわ
経済が成長すると、金利も高くなるの?
父さん
普通はそうなるね。経済が成長する=景気がいい。景気がいいと、人が物を買う。企業は物をいっぱい作る。企業は工場を大きくしたいのでお金を借りる。お金を借りる人が多くなると金利は上がるんだね。逆に、景気が悪くなると金利が低くなります。ちなみに、昔は金利が6%もあった時代がある。今は0.002%くらいだから、全然違うね。3,000分の1ですね。

父さん

これは前にも見せた図だけど、投資の利率は5%としているね。昔の貯金はこの緑と同じくらいの金利でリスクなしで増えてたんだね。今の預金金利は0.002%だからまったく増えない。物価と比べるとむしろ価値が下がっている。というのは、前に言ったとおりです。

わわ
昔はすごい増えてたんだね。ずるい!
父さん
そうなんだよなあ~。だから昔の人は貯金が最高!って感覚が未だ抜けないのかもね。昔は、貯金すれば、自分のお金も増えるし、国も集まった貯金から借金できるし、お互い幸せだったんだね。
父さん
でも、これからの時代は、貯金だけじゃダメってことがわかったかな?国もこりゃダメだってことで、これからは学校でも金融教育やるようだね。これは後で説明します。
わわ
お父さん。あと2分で終わりの時間だよ。大丈夫?
父さん
まじか!次の③まではやっちゃおう。
わわ
まあしょうがないなあ。早めに終わってよね!
父さん

じゃあ次ね。日本でお金について教えなかった理由の最後。③税金の話です。源泉徴収って分かる?

③ 源泉徴収で税金の勉強は不要?

なな
源泉徴収?聞いたことない。
父さん
源泉徴収は、税金の給料天引きのことです。源泉っていうのは、泉の水がわいてくる源のこと。サラリーマンは給料がお金の源泉だから、そこから税金は天引きされちゃいます。お父さんが会社からもらう給料はすでに税金を払った残り分です。
なな
国は面倒なことやるんだね。
父さん
税金の手続きは会社がやるから国はめんどくさくないんだよね。源泉徴収することで、国は確実に税金が手に入れることができます。会社員は、税金の勉強しなくていいので楽です。WIN-WINなんです。
わわ
おおーWIN-WINって聞いたことある。どちらも得なんだよね。WIN-WINの反対ってあんの?
父さん
WIN-WINの反対は、LOSE-LOSEだな。どっちも損。意味ないね。余談だけど、どっちかだけが得をするのがWIN-LOSE。人間関係でもそうだけど、WIN-WINじゃないとうまくいかないね。どちらかだけが得をしたり、どちらも得をしない関係は長続きしないと言われているね。
わわ
そうなんだ!LOSE-LOSEなんてあるんだね。でも確かにそれじゃあダメだね。やっぱりWIN-WINがいいねえ。
父さん
自分で事業をしている人は自分で税金を納めるから、税金の勉強をしないとダメだね。でも税金の勉強をすると節税ができるんだよ。
わわ
節税?
父さん
そう、税金を安くすることができるんだ。仕事をするために必要なお金は経費といって、税金がかからないんだ。同じ稼ぎだと、経費が多いと税金が少なくてすみます。サラリーマンは経費が一定割合で自動設定されるけど、自営業の人は、自分で計算して経費を申請するんだよ。事業に関わるものはすべて経費としてあれこれ足して申請すれば、税金がかからない分が多くなるので、税金が少なくてすむんだね。まあ、いろいろ工夫の余地があるってことだね。
わわ
へえ、サラリーマンは節税できないの?
父さん
ほぼできないけど少しはできる。たとえば、ふるさと納税は節税といえる。会社員の節税はなかなか難しいね。
わわ
まあ、節税されないほうが国は儲かるよね。
父さん
おお!すごいところに気が付いたねえ。学校では、起業についても教えないし、税金についても教えないね。基本的に学校では、枠からはみ出ない正しいサラリーマンになる方法を教えてるんだね。源泉徴収という制度が、本当にWIN-WINなのかもちょっと考えてもいいかもしれないね。お父さんは、起業について学んだこともないし、実践したこともないので、君らに上手く教えることはできないな。でも、サラリーマンにも副業という方法で、ちょっと起業みたいなこともできるようなんだよね。副業はチャレンジしたいなと思ってます。
父さん
というところで、今日はおしまいにしようかな。
日本でお金について教えなかった理由
① お金の話は下品というイメージがあるし、家庭では教える人がいない。
② これまでは貯金が正義で、それ以上教える必要がなかった。
③ 会社員は源泉徴収されるから税金の勉強は不要。節税も難しい、
父さん
どう?おもしろかった?
なな
まあね。面白くないわけじゃない。
わわ
まあ。いいんじゃないって感じ。今日は15分オーバーしました。
父さん
悪い反応じゃないな。じゃあ、次週もお楽しみに!!

次のテーマは、「他の国と状況とこれからの日本の金融教育について」 こちらです。