【高校生の理解度31.5%|金融経済用語19選】金融リテラシーの基本を分かりやすく解説

【高校生の理解度31.5%|金融経済用語19選】金融リテラシーの基本を分かりやすく解説

この記事の内容

なな
金融リテラシーの基本を学びたい方。実力をチェックしたい方は必見です。

金融リテラシーの基礎用語(19語)について解説しています。また、全国の高校生理解度データと比較ができます。

金融リテラシーの基本を身につけるために活用いただければと思います。案外理解不足の項目があるかもしれません。

金融経済の基礎用語は「高校生向けの公的な調査※」からの抜粋です。
高校生(全国約2万人)の理解度データ※と比較できます。

※出所:金融広告中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」の金融経済用語

金融経済の基礎用語19選と高校生の理解度

各用語の右に調査対象の高校生(全国96校・20,689人)の理解度[%]グラフを表示しています。

19語の平均理解度(「内容がほぼ分かる」と答えた割合)は31.5%です。

「聞いたことはある」まで含めると平均は62.3%となりますが、残りの約4割は「聞いたこともない」ということです

基本的な用語ですので「知ってる」のと「知らない」のとで差が付きやすいところです。

この際に理解を深めて「内容がほぼ分かる」にしておきたいですね!

読者のみなさまもチャレンジしてみましょう。

なな
用語をクリックすると下の解説記事にジャンプします。
わわ
私は中学生だけど頑張って覚えてみんなと差をつけちゃうよ!
用語
14.CSR
(企業の社会的責任)
父さん
このブログでは、次の3ステップのクイズ形式により、一通りの金融リテラシーが身につくように解説しています。
わわ
「金融リテラシー」は「お金の知識と判断力」のことです。お金を増やして守るためにとても重要ですよ。

それぞれの設問の出所は「金融広告中央委員会」による公的な調査項目からの引用です。

調査結果のデータとしてそれぞれの問題の正答率が公表されているため、自分のレベル感が把握できます。

なな
次の3つのステップでお金の基本を学び「金融リテラシー」を身に付けましょう。
  1. 基本問題27選から学ぶ
    調査対象:小・中・高校生:約5万人
    >>>関連記事リンク
  2. 金融基礎用語29選から学ぶ ←本記事です
    調査対象:高校生 約2万人
  3. 金融リテラシー正誤問題25問から学ぶ
    調査対象:19歳〜79歳の3万人
    >>>関連記事リンク

用語の解説

各用語の解説です。中高生の娘2人の監修で分かりやすい説明となるように気をつけました。

1.振り込め詐欺

振り込め詐欺とは、親族や警察のフリをして「早くお金を振り込まないと大変なことになる」ともっともらしいことを言い、焦らせ、正常な判断をする時間を奪い、お金を振り込ませる詐欺の手口です。また、架空の請求書を不特定多数に送付しお金を騙し取るといった手口もあります。「すぐに振り込まない」「一人で対応しない」ことが対策として有効です。

2.ニート
Not in Education, Employment or Training”=NEET(ニート)です。15歳〜34歳の学校に行かず働いてもいない。家事も就職活動もしていない「働く意志のない若者」のことを言います。
3.保証人
保証人とは、お金を借りる人がお金を返せなくなった場合に代わりに返す人のことです。「連帯保証人」は更に重い責任があります。仮に借金をするAさんの「連帯保証人」となった場合、Aさんが仮にお金を返せたとしても請求されれば「連帯保証人」が借金を払う必要があります。保証人も連帯保証人も気安く引き受けないようにしましょう。
4.国民年金
国民年金は、一定期間保険料を収めることで、老後等にお金を受け取れる社会保険制度のひとつです。20歳以上から60歳未満まで加入が法律で義務付けられています。学生は申請することで特例として保険料の支払いが猶予されます(後から支払うこともできます)。受け取ることができるのは次の3つです。①老後(原則65歳)には老齢基礎年金。②病気やケガで障害が残ったときには障害基礎年金。③家族の働き手が亡くなったときには遺族基礎年金。
5.クーリング・オフ
訪問販売や電話勧誘の際に、一定期間無条件で契約を解除できる制度です。訪問販売、電話勧誘の場合には、契約書面や申込書面を受け取ってから8日間は無条件で解約することが可能です。補足ですが、通信販売の場合にはクーリング・オフ制度はありません。返品などの特約がある場合にはそれに従うことになります。特約がない場合には、受け取った日から8日間は返品が可能ですが、送料は消費者負担となります。
6.消費生活センター
消費生活センターでは、商品やサービスなどに関する苦情や問合せなどを受け付けています。「契約した覚えがない」「解約できない」「説明された内容と違った」など、困ったことがあったら、消費者ホットライン「局番なしの188番(いやや)」に電話して相談しましょう。
7.社会保険
社会保険制度とは、以下の公的保険の総称です。多くのリスクがカバーされいます。また、保険料は勤め先の会社が半額を負担しています。更に保険料の負担を軽減させるため、国や地方自治体も費用を負担しています。このように日本は社会保険制度が充実しているため、民間保険(一般の保険会社で販売されている保険のことです。保険会社の費用や利益が料金に含まれるため高額です)への加入は最小限にすることが節約の鉄則です。社会保険を正しく理解することで民間保険料を見直し節約につなげましょう。
  • 医療保険(ケガや病気に備える)
  • 年金保険(老後などに備える)
  • 介護保険(介護に備える)
  • 労災保険(労働災害に備える)
  • 雇用保険(失業に備える)
8.リスクとリターン
金融経済用語でいう「リターン」とは投資を行った結果の「利益」もしくは「損失」のことです。「リスク」とは得られる結果(リターン)の変化の大きさ(振れ幅)のことです。つまり「ハイリスクな商品」に投資すると、大きな利益を得る可能性もありますが、同じだけ大きく損をする可能性があります。「ローリスクな商品」は、損失が小さい代わりに利益も小さくなります。確実に大きい利益が得られる商品は世の中に絶対存在しません。「ここだけの話」や「今だけ、貴方だけに教える」といった儲け話には注意が必要です。
9.多重債務問題
複数の業者から借金をしている状況を多重債務といいます。お金を借りたけど、その借金が返せないために新たにお金を借りてしまいます。借金には複利で金利がつきますので、雪だるま式に借金が膨れ上がります。路上生活者や自殺へと追い込まれる場合もあります。ヤバい!と思ったら、早めに家族や消費生活センターに相談しましょう。
10.デビットカード
買い物や食事の料金支払いに利用できます。クレジットカードとは異なり、利用と同時に銀行口座の残高に反映されます。つまり銀行の残高以上に利用することができないため、使いすぎを予防できます。基本的には銀行のキャッシュカードと一体型となっています。
11.コンプライアンス
法令遵守(ほうれいじゅんしゅ)のことです。法令をきちんと守りましょうということです。企業では倫理面(人の行うべき善悪の区別)も重要視され、公正・公平な業務運営が求められています。
12.リボルビング払い
クレジットカードの分割払いの一種です。リボ払いは毎月の支払額を指定する方法です。例えば、クレジットカードで10万円の買い物をしたとして、毎月5,000円づつ返済する方法です。3回払いや5回払いなどと支払回数を指定する場合は分割払いといいます。どちらも高額な手数料が必要です。クレジットカードのリボ払いや分割払いは利率の高い借金です。欲しい物がある場合、一括で買うお金がない場合には我慢して「必要かどうか」についてよく検討しましょう。
13.NISA(ニーサ)
NISA(ニーサ)とは、投資を行う場合に一定額が非課税となる制度です。通常は株や投資信託を運用した利益に対して約20%の税金がかかりますが、NISAを利用することその税金の支払いが不要です。20歳未満が利用できるジュニアNISA制度は2023年までで廃止されます。
14.CSR(企業の社会的責任)
CSR(Corporate Social Responsibility企業の社会的責任)とは、従業員や取引先、株主などへの配慮から社会貢献、環境への配慮を含め、適切な意思決定を行うことをいいます。企業イメージの向上や、取引先との関係性の向上、従業員の働きがいの向上などによる利益の向上が見込めます。
15.複利
複利とは利子にも利子がつくしくみです。宇宙最大のちから。人類最大の発明。とも言われ、お金を長期間「複利」で運用することにより、大きな増加が見込めます。俗に「雪だるま式」といわれる増え方です。お金を増やしたい場合には複利の力を利用すべきです。ただし、借金も複利で増えていきますので、気をつけましょう。借金はしないのが一番ですが、借りた場合には、なるべく早く多く返すのが鉄則です。
16.ペイオフ
銀行などの金融機関が破綻した場合にも預金は一定額は保護されます。そのしくみの一つであり、金融機関が破綻した際に、預金保険機構が預金者へ直接保険金を支払う方式をペイオフといいます。銀行ごとに元本1,000万円とその利息分までは保護されます。それ以上の金額については、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われます。
17.分散投資
投資のリスクを減らす手法です。投資商品の「種類」「地域」を分けたり、買うタイミングをずらす「時間」の分散があります。分散することでそれぞれのリスクを補い、全体としてリスクを引き下げることとなります。個人投資家の投資手法では分散は必須項目です。
  • 「種類」とは商品の特徴です。株式、債券、不動産、金など様々な商品カテゴリや銘柄があります。
  • 「地域」とは国内のみか海外も含めるか。先進国のみか新興国も含めるか。
  • 「時間」とは購入するタイミングをずらして価格の変動リスクを抑えます。毎月一定金額を投資することで、価格が高いときには少なく買い、安いときには多く買うことが自動的にできるため平均的な購入価格を引き下げることができます。
18.投機
「投機」とは「投資」とは異なり、賭博(ギャンブル)に近い資産運用です。楽しむためには良いですが、お金に余裕がない人は「投機」をしてはいけません。
  • 投資とは、一定のリスクの範囲で利益を得ようとする資産運用 例)長期の株式運用
  • 投機とは、価格変動を予想して大きなリターンを追求する資産運用 例)短期の株式運用/ビットコイン/FXなど
19.72の法則
72の法則とは、複利で金額が倍になる年数の計算方法です。72を「年率」で割れば元金が倍になる年数が求められます
例えば、年率5%の場合、資産が倍になるには、72÷5=14.4(年)となります。
同様に、借金の年率が20%の場合、借金が倍になるには 72÷20=3.6(年)となります。
便利なので覚えておくといいですね。
以上で金融経済用語の解説は終了です。
簡潔に分かりやすく記載したつもりですが、分かりにくい表現や誤りなどありましたらコメントにてご指摘いただけるとありがたいです。
本ブログでは、お金の勉強のステップとして以下を紹介しています。
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