目次
日本人の収入ってどのくらい?
今回の内容
1)世帯所得の平均値は552万円(中央値437万円)
2)所得は20年以上下がり続けており、世界的に低い水準
3)日本人の半数以上の世帯が生活が苦しいと感じている
4)相対的貧困率も増加傾向であり、世界的に高い水準
5)学歴や、性別、職種、雇用形態によっても収入は大きく異なる
2)所得は20年以上下がり続けており、世界的に低い水準
3)日本人の半数以上の世帯が生活が苦しいと感じている
4)相対的貧困率も増加傾向であり、世界的に高い水準
5)学歴や、性別、職種、雇用形態によっても収入は大きく異なる
娘たちは、収入が高い・低いという感覚は未だなさそうですが、「日本の半数以上の世帯の生活が苦しい」という事実はインパクトがあったようです。また、男女で収入に大きな格差があるのには、驚いていました。というか、私もこれほどの格差があるとは驚きました。しかし、今後は働き方もどんどん変わるでしょうし、収入も男女差は無くなっていくのだと思います。
今回は収入がどれくらいなのか説明します。働くとどれくらい給料がもらえるかってことだね。
給料って1,000万円くらいが普通って思ったけど、違うんだよね。
そうです。1000万円がどれくらい凄いかについて説明します。だいたい1,000万円ってなんの基準なんだよ!
まあ、なんとなくね。なんか聞いたことある的な?
世帯あたりの平均所得
では、まずこれを見てください。一世帯あたりの平均所得って書いてあるでしょ。
平均所得?
そう、所得っていうのは、サラリーマンの利益って感じなんだけど。まあ、難しい話はおいておいて、だいたいこれくらい貰えるのかあ。くらいで考えて下さい。
年収ってやつ?
ちょっと違うんだよね~。年収は、会社が払う給与の全額なんだけど、それから、税金とか引かれた分が実際に貰えるお金になります。その税金を計算するための金額を所得っていうんだけど、ちょっとややこしいから、今日は説明しません。所得は年収より、ちょっと少ないくらいになりますね。
そうなんだ。ややこしいのかあ。じゃあいいや。
では、なにが言いたいかというと、下から2番目の「全世帯」のグラフを見ると、平成10年くらいから、ずーーーーーっと、すこしずつ下がってきてますね。
たしかに。微妙にさがってるね。
平成10年って何年前?
平成9年が97年って書いてあるから、平成10年は98年でしょ。2022年からだと、24年前?
そうだね。日本の給料は24年くらい前からずーーーっと下がってるんですね。
この図では2018年までしかなくて、その時の所得は平均で552万円となってるね。
全然1000万円じゃないね。
そうだね。平成10年からちょっとずつ上がってたらそれくらいだったかもしれないけどね。残念ならが、その半分くらいです。しかも世帯で。
世帯って何?
簡単に言うと、家族の合計でってことだね。最近はお父さんもお母さんも働いている家庭が多いから、2人合わせてこれくらいってことだね。もちろん、一人しか働いてない場合は一人分だけどね。
へえ。じゃあ、一人分だと半分くらいってこと?
後で年齢や性別なんかで収入が違うって説明するけど、男女で収入が違ったりするので、半分ってことではないかもしれないけど、まあ半分ってこともありえるね。
えええ。それじゃあ、1000万円なんてなかなか難しそうだねえ。
まあ、そういうことです。次にこの図を見てください。2019年のデータだけど、平均値が552万円。中央値が437万円。ってなってるでしょ。平均以下の割合は61.1%と書いてありますね。
中央値ってなんだっけ?
中央値は、真ん中の人の値ってことです。所得の高い人から順に一列に並んで、その真ん中にいる人の所得が437万円ってことだね。
平均より少ない人の方が多い感じ?
いいところに気が付きました!平均以下の人が61.1%もいるでしょ。めっちゃ稼いでる人が少しだけいるけど、ほとんどの人は平均以下しかもらってないんですねー。
えええーーー。じゃあ、貧乏な人が多いってこと?そんな感じしないけどなあ。
貧乏って言うと聞こえが悪いけど、相対的貧困率っていう言い方をします。相対的貧困率は、貧困線っていうある一定より所得が低い世帯の割合です。貧困線は、だいたい中央値の半分以下なんだけど、世帯の人数によって分かれてます。4人家族の場合は244万円が貧困線となるようです。この図で見ると結構いるでしょ?
この図だと、この一番山の高いところらへんより下の人ってことだよね。結構いるねえ。
そうだねえ。貧困率も後から説明するけど、日本の貧困率は世界的に高いほうなんですよ。
えええ、そうなんだあ。なんかショックな感じ。日本って貧乏な国なのかあ。
さらに追い打ち的なデータなんだけど、この図を見て下さい。
これは、世界の国の給料がドルでどうなってるのかを示しているよ。
線がいっぱいあるねえ。
「紫色」が日本の給料の推移です。やはりすこしずつ下がってる感じだね。で、ほかの国はどうかな?
ほかの国はだいたい上がってきてるね。Koreaって韓国でしょ。韓国に抜かれてるね。
そうだね。一番上の赤いのはアメリカでぐんぐん上がってるね。日本の倍くらいかな。OECD-totalっていうのが、先進国の平均だけど、世界の平均値はどんどん上がって行ってるよね。日本は取り残されている感じです。
では、さらに次のスライドです。平均的な収入を見ると、日本(赤色)は、世界で下のほうだということがよくわかるね。青いのは他の国の平均です。
日本は平均よりずいぶん下のほうだね
世帯あたりの貯蓄額と借入額
次のスライドは世帯あたりの貯蓄額の平均と借金の平均だね。
貯蓄ってなに?
貯蓄って、貯金みたいなもんだね。お金を貯めることです。
貯蓄って聞いたことなかったな。貯金と何が違うの?
貯金はお金を貯めることだけど、貯蓄は、貯金も含めて、株とか、債券とか、資産を貯めることだね。
へええ。初めて聞いた。そんな言葉あるんだねえ
そうか。まあ、なんとなく分かったかな。で、これを見ると、29歳以下の若い世帯では貯蓄が少ないね。でも借金はあって、30代、40代になると、貯蓄も増えるけど、借金も増えてるね。
借金が1000万円以上もあるね。なんでかな?
これは、家のローンだろうねえ。若い時は車かな?30歳以上になると、家をローンで買うことが多いから、借金が増えるんだろうね。
30代~40代は借金のほうが多いんだね。返せないと大変だね。
そうだね。ちょうどお父さんは今このあたりの年代だけど、家を買ったから借金があるね。しかも、もうちょっと多いかな。でも貯蓄はもっといっぱいありますねえ。
えーそうなんだ。どれくらいあるの?
そうだなあ。この平均の10倍くらいはありますねえ。
え、マジ?10倍?
そうだねえ。そう考えると、やっぱりコツコツ投資をした甲斐があったってことだね。そこそこだとは思ってたけど、平均の10倍くらいとは思ってなかったよ!
へええ。じゃあ、そのままどんどん増やしていただいて。後でちゃんと頂戴ね。
あーーー残念だけど、使い切る予定だからね。君たちは自分でなんとかしてくださいね。ということで、この勉強会やってるんだからね。
えええー。ケチだなあ。
保有資産の分類
はい、では次のスライドです。
これは、保有資産別の分類です。
なにこれ?1億円以上は富裕層?ウチは?一億円あるんだっけ?
いやーー。それくらい欲しいところだけどねえ。お母さんがいくらくらい貯めてるかによるけどね。家を買った借金があるから、ちょっと足りないかなあ~
えええ、そうなんだあ。がっかり~。
いやいや、この右上の棒グラフをみてください。それぞれの区分の世帯数を棒グラフにしたんだけど、ほとんどがマス層でしょ?この一番右のの4,216ってとこね。
マス層がほとんどだねえ
そう、要するに、ほとんどの人が資産は3000万円未満ってことなんですね。普通に生活してたら、このマス層になる可能性が非常に高いよ。ってことです。お金持ちになりたいんだったら、普通のことをしてたらダメなんですね~。
日本の相対的貧困率について
次のスライドは貧困率に関するデータです。相対的貧困率のグラフを見ると、昭和60年から上がってきてるでしょ。
子供の貧困率ってなに?
子供のいる世帯だけで数えた時の貧困率だね。ちなみに子供とは17歳以下を子供としてます。子供の貧困率が13.5%ということは、7人に1人の子供が貧困だということになります。30人のクラスだと4人くらいはいることになるよ。思ったより多くない?
日本って貧しい人がいると思ってなかったから意外~
貧しい人がそんないるのかあ
次は、この図を見てみてください。貧困率を世界で比べてみました。右に行くほど貧困率が高い国です。日本は15.7%だから、割と右のほうでしょ?
世界の中でも貧乏が多い国ってことかな?
結構上位のほうにいるよね~
そういうことですね。ちょっと前の日本は経済的に豊だと言われていたけど、今はもう世界的に貧乏な国の仲間になってるね。
世帯別の生活意識
続いて、日本のみんなが、生活についてどう感じているかの図を紹介します。
これを見ると生活が「苦しい」って感じている世帯が半分以上だね。
!
マジか!
児童がいる世帯は6割りが苦しいって思っているし、年金がたっぷりだと思ってた高齢者世帯も半分以上が苦しい生活なんだねえ。年取ってから苦しい生活って嫌でしょ?
嫌だ~
お金もちがいいんだけど~
「ゆとりがある」っていう回答がお金持ちだとすると、めっちゃ少ないでしょ?
お金持ちはめっちゃ少ないねえ。私は普通でもいいんだけどねえ。
ほとんどが苦しい生活なのかあ
そういうことだね。半分よりちょっと上でやっと普通だからね。普通でいいやって、平均値の50%あたりの水準だと「やや苦しい」ってなっちゃうよね。
やや苦しいのも嫌だな。
嫌だ~
ということで、お金の勉強している訳だね。ちゃんと聞いててくださいね!
勉強もやだ~~
・・・・・・・まあね
学歴・性別・年齢階級別の賃金
ここから先は、学歴や、性別、年齢別の賃金について見ていきます。いろいろな資料があるけど、ざっくり言うと、学歴が高いと給料がいいです。あとは、年齢が上がるにつれて給料がよくなっていきますね。そして、残念ながら女性のほうが給料が低いです。
え?なんで?
ホントだ、めちゃ低いよ。萎えるわ~。ないわ~。
なんでかな?女性でバリバリ仕事してる人のほうが未だ少ないのかな?大学院まで行ってる女性は男性と同じくらい貰ってるよね。
ホントだねえ。大学院って大学のあとも勉強するところだよねえ。
給料がいいのは専門性が高い職業なのかな?やっぱりスキルは大事なんじゃない?
スキルかあ。勉強は嫌いだしなあ。
企業規模別の賃金
自分に向いてることを探さなきゃだね。次は会社の規模によって給料が違うって図です。
男は企業の大きさで給料が結構違ってるけど、女はあんまり変わらないね?なんでだろ?
そうだね。女性の場合、小企業は少し少ないけど、大も中もそんなに変わらないねえ。で、やっぱり男と比べると結構少ないね。
働く内容が男と女で違うのかな?ちょっとよくわからないけど、実態としてこんな感じなんだね。驚きです。次は、産業による違いです。
産業による賃金の違い
金融とか教育関係は給料が高いけど、宿泊業や飲食サービス業は低いねえ。
マックとか、ファミレスって給料やすいのかあ~
マックとか大きな会社だと、一部の正社員の偉い人は結構もらってるんだろうけどね。
金融とか保険業とかがいいねえ。どんな仕事するの?
銀行とか、保険を売ったり、株を売ったりする証券会社とかかな。お金を扱う仕事は給料もいいんだね。
よし!じゃあ私は保険を売るよ!
保険の営業も大変そうだけどね。売れれば儲かるかもね。儲かってるってことは、ホントは必要ないような保険も売って利益をいっぱい取ってるってことだからね。
騙して売るってこと?
保険のことはまた今度教えるけど、結構騙しみたいな商品もあるから、買う方としては気を付けないとね。
そういうのを売ってると心が病みそうだね
まあそういう面はありそうだよね。とにかく、業種によって給料が結構違うということは覚えておきましょう。
雇用形態別の賃金
次は、正社員と正社員以外の違いだね。正社員は年を取ると給料が上がるけど、「正社員以外」は若い時から給料がほとんど変わらないね。
ええ。給料が増えないは辛いなあ~
でも会社に縛られないから自由度が高いし責任も少なくて気楽なのかもしれないよ。自分が何を望んでいるかによって、どういう働き方をするかを決める必要があるね。
都道府県別賃金
最後に都道府県別の賃金です。
基本的に東京、大阪、名古屋とか、都会が高いってことだね。給料が高いほうがよいのであれば、都会で働いたほうが有利ってことかな。
へえ。家からだったら東京に通えるもんね。
まあ、そうだね。でも通勤は混んでるし、電車止まったらパニックだし、なかなかしんどいけどね。
うわ~。そういうのも嫌だねえ。
ということで、いろいろ見てきたけど、これからは変わってくるかもしれないね。共働きが増えて男女の違いは減ってくるような気がするし、リモートワークが進むと都会と地方との格差も減ってくるかもしれないねえ。働き方は変わってきてるからね。
仕事かあ~。給料が違うってことは分かったけど、やっぱり自分が何をすればいいか、分かんないよ。
次回の内容はこちら 「家計管理【貯蓄の正しい考え方】」